骨格矯正症例1 足を引きずる
足を引きずって来院された高齢のEさん、80代です
歩行中に足が痛く、引きずってしまうとの事
見ると、歩行時に足が前に出てこず、歩きにくそうにしておられます
この場合、まず考えられるのは股関節の運動制限です
つまり、太ももの骨と骨盤で作る股関節に問題がありそうだ、と予測されます
ご年齢の事を考え、いきなり骨格矯正を選択せず
まずは筋緊張を緩和する手技療法を受けていただきました
これは何故かというと、長年痛みを抱えておられる高齢の方は
筋肉の緊張が強く、骨格矯正を受けても関節が動かず効果が出にくいからです
また、症状の状態によっては手技療法だけで改善する事も多くありますので
高齢の方はまず手技療法を選択します
数回の治療後、足のツッパリや動きが改善してきました
しかし、やはり足を引きずる状態が残っています
検査の為に矯正専用ベッドに寝ていただくと
股関節の前方への動きに制限が出ています
軽度~中程度であれば、股関節周りの筋緊張が取れると改善する事も多いのですが
今回は矯正まで必要な症状だと考えました
骨盤周囲の関節の動きを良くして、体を動かしやすくします
高齢の方の為、骨粗しょう症のリスクを考えて
強い刺激の手技は選択せず、弱い刺激で矯正していきます
当院の骨格矯正は、体を無理にひねったり強く押したりはしません
うつ伏せのまま、ほぼ動かずに終了する技法の為、体の負担は非常に少ないです
どんな道具を使っているかはこちらから ➡ 骨格矯正の道具など
今回は、アクティベーターという矯正器具のみを使い
トムソンベッドは使わずに矯正を行いました
股関節、骨盤周囲、腰椎のアライメントを整えていきます
整える前、ベッドに寝ていたRさんの体は股関節だけでなくあちこちが緊張しており
特に背中、腰、股関節は触って分かるほど関節の動きがありませんでした
それをひとつづつ整えて、動きが良く柔軟性が戻るようにしていきます
Eさんはやや症状が強かったため
矯正、手技療法を週2回で交互に受けていただきます
5回目の治療が終わったあたりから、足の痛みが改善し
足を引きずる動きも小さくなってきました
最終的にはEさんは10回程度の治療で8割がた痛みを取る事が出来ました
ご年齢を考えるとかなり改善できたと思います
Eさんは、現在は継続して週2回の施術と月1回の矯正を受けておられます
施術を受けていれば、ほぼ足を引きずることなく歩けるそうです
80歳を超えるご年齢の方ですが、矯正と手技療法で改善した例でした