突き指を見る際のチェックポイント 

突き指の治療は単純なようで

知らないと見逃しやすい事例があります


柔道整復師であれば突き指と聞いて

まず思い浮かべるのはDIP関節の骨折or腱よる

マレットフィンガ―でしょうか


しかし、柔整の教科書上でははっきり書いていない事ですが

(私は平成の教科書の為、令和現在は不明ですが・・・)

PIP関節掌側の骨折・腱断裂も比較的多くあります

現場経験からいうと、マレットフィンガ―より多く経験しています


マレットフィンガ―の場合、指の動きに明らかな制限が掛かるため

患者さんがすぐ整形外科に受診するであろう事例になるのに対して

PIP掌側のケガは重篤だと思われずに整骨院に受診されるからでしょう



また、比較的見かけるのがスキーヤーズサムと呼ばれる

母指に多い、MP関節の靭帯断裂です

この疾患は単純に指を引っかけたり

突き指が横ベクトルで起こった際にも受傷する可能性があります

(指の横からボールが当たるパターン、バスケ等に多い)

スキーに限らず突き指等でも起こる、という事を

頭に入れておかなければなりません


経験則として、スキーヤーズサムの患者さんの訴えでは

「親指の腱鞘炎だと思う」と言われることが多く

キチンと痛めた原因を問診したり

指を丁寧に触診して、痛い所を特定しておかないと

本当に腱鞘炎だと勘違いしてしまいかねません


腱鞘炎なら母指屈筋や伸筋をアプローチしますが

そんな事をしてももちろん治らない為

腱鞘炎だと思って治療していて、経過が思わしくない場合は

「もしかして患者さんの言葉に惑わされてるのか?」

という視点を持ってもう一度触診してみるのも良いでしょう


(令和元年7月加筆修正)